2008年10月6日月曜日
2008年05月11日 チョコレートの真実
カカオが育つ条件は、赤道の南北20度以内、海抜200~600m、気温27℃前後、雨量は1,300mm以上が年間を通して平均的に降ること
2008.03.28
「チョコレートの真実」キャロル・オフ著、北村陽子訳・07年9月・英治出版刊・5の1 [ 歴史 ]
私: 「コーヒーの真実」1、2、3では、コーヒーの低賃金労働の暗い歴史部分を扱っているが、この本は、原書のタイトルが「苦いチョコレート・世界で最も誘惑的なスウィートの暗い部分を調査して・Bitter Chocolate Investigating the world most seductive sweet 」とあるように、チョコレートの歴史の低賃金労働の暗い部分の歴史を描いている。
和訳の題名の「チョコレートの真実」は意訳だね。
著者は、女性ジャーナリスト。
チョコレートはカカオの実からできるのだが、カカオを食していたのは、3000年以上の昔で、オルメカ人、マヤ人が食していたという。
1502年、コロンブスがメキシコに来たときは、カカオに興味を示していかったようだ。
A氏:1519年にメキシコにスペインが乗り込むね。
そして、アステカ帝国は崩壊するね。
私:しかし、カカオ豆栽培は残った。
こうして、チョコレートがヨーロッパに最初に渡ったのは、スペインで1544年のことだという。
貴族などの嗜好品となる。
当時、カカオ豆から油状のチョコレートにする作業は、スペインでは修道院にあった装置で行われたという。
そして、17世紀にはイギリスに渡る。
イギリスの都市では、チョコレートは王侯貴族の嗜好品でなく、一般庶民も入れるチョコレートハウスで登場する。
A氏:イギリスでは同じ頃、コーヒーハウスができるね。
私:チョコレートの製造技術は産業革命の影響を受け、イギリスで板チョコを作り出すね。
19世紀半ば、イギリスの菓子業者のキャドリバー社は、チョコレートをバレンタインデーと結びつけてロマンチックな愛のシンボルにするという天才的なマーケティング戦略を展開する。
一方で、19世紀半ば、メキシコとカリブ海のカカオが病害で壊滅する。
しかし、カカオ商人は、他にカカオの生育に適した地を見つける。
ポルトガルは理想的な地をカメルーン沖、ギニア湾に浮かぶサントメ島とプリンシペ島に見出す。
ポルトガルはもう何年も、アメリカのカカオ・プランテーションにアフリカ奴隷を送り込んできた。
今度は、アフリカにカカオとアフリカの奴隷を持ってくることになった。
A氏:しかし、18世紀に盛んだった奴隷貿易は世界的に禁止されたのではないの?
私:ポルトガルは、表面的にはアフリカ人と雇用契約をして働いていることにしていた。
イギリスのジャーナリストのネビンソンは、1904年、現地に取材し、奴隷制の実態を雑誌に発表する。
イギリスのチョコレート業界は激しく反発。
一方、奴隷廃止運動はサントメ島カカオ豆のボイコットを求めた。
A氏:奴隷廃止のイギリス政府は支援するのではないの?
私:しかし、イギリスもアフリカのダイヤモンド鉱山で安い労働者が必要でひそかにポルトガルと交渉中だった。
A氏:お互いに脛に傷をもっていたということか。
私:困ったのはキャドリバー社だ。
この会社は、従業員の福祉を厚くして、奴隷労働にも反対の会社だった。
結局、キャドリバー社はカカオの供給源をゴールドコーストに見つけて、サントメ島カカオ豆のボイコットをしたが、10年かかった。
奴隷制に対する国際的非難や奴隷制廃止法にかかわらず、19世紀の終わりから20世紀初頭にかけて800万人にも上るアフリカ人が過重労働により死亡、または雇用者に殺害されたという。
A氏:そういう悲惨な背景があって、チョコレートがヨーロッパで愛用されているのは皮肉だね。
私:19世紀末、アメリカで移民の子、ハーシーはミルク入りの板チョコを発売。
製菓業界で伝説的な名前となる「ハーシー」のマーク入りのチョコだね。
1930年代になると、カカオ豆はイギリス行政支配下のゴールドコーストが最も多く産出し、ついで、フランス行政支配下のコートジボワールが産出していた。
この頃、ハーシーはカカオ豆相場に手を出して、カカオ商人のわなに落ちて大損害をする。
しかし、第2次大戦で兵士を元気付ける食品として、ハーシー社は戦争中に大いに繁栄し、アメリカのチョコレート業界で独占状態を維持する。
戦後のチョコレート業界は競争が激しくなり、多国籍企業化する。
明日は、再度、アフリカのカカオ豆栽培のその後に話を移そう。
Last updated 2008.05.25 20:59:27
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