2008年6月10日火曜日

sekaijyuu wo ryokoushite iru MASAME

『ザ・万歩計』







万城目 学(まきめ まなぶ)
出版:産業編集センター 2008年
定価:1260円(税込)
ISBN978-4-86311-009-0


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「鴨川ホルモー」「鹿男あをによし」の作者が書いた
エッセイ集。読み終わってみて、名エッセイとは思え
ない。あちこちの雑誌などに寄稿したものなので、統
一感はなし。それより何より、全体に漂うのは「素人
っぽさ」。その辺のブログにあってもちっともおかし
くない、日記風。

いわゆる文学臭さがないのです。大学生がそのまま書
いてますという、すっとぼけた文章がこの人独特かも
しれません。昔の文学青年だったら、卒倒しそうなこ
とを平気で書く人ですね。その意味では、おかしいこ
とはおかしい。

『僕も今、ヒヨコうまいと聞こえました』

「難解な数学の問題をすらすら解く人間は、トマトま
でわんさと実らせてしまうのだ」

「中学生とは、世の中で、最も血中阿呆濃度の高い生
き物だと思う」

「私は将来、モンゴル人になりたいと思っていた」

会社を退職して作家活動に入った著者。そのいきさつ
はここに書かれています。それ読んでも、全然悲壮感
がないのがおかしい。持ち味なんでしょうが、ちゃら
んぽらんに見えてしまう。ただの文学青年と違うのは、
世界中を旅行していること。

それもパック旅行ではなく、一人でとんでもない所で
とんでもないことをしでかす。モンゴル旅行も笑えま
すが、私が大笑いしてしまったのは、トルコの公衆浴
場での出来事。

しかし、モンゴルのトナカイが「鹿男あをによし」の
ヒントになっていたとは、笑えます。

この人のユーモア感覚ってのは、どうも関西人特有な
のですね。それで何となく親近感があったのです。そ
のことにやっと気がついた。万城目ファンには必読。

1時間30分


愛されていたのに気づかなかった過去


評価  ★★★★

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