2008年10月7日火曜日

半導体の太陽電池と原理がまったく異なっている。



注目集める色素増感型太陽電池の実力
従来の太陽電池と異なる原理で発電
2008年1月25日 15時10分
昨年12月から新年にかけて、色素増感型太陽電池(色素型または色素型太陽電池と略す)のニュースが相次いだ。太陽電池といえば、これまでは半導体製で、家庭の屋根などに設置されているのは、すべて半導体であるシリコンを使っている。これに対し色素型太陽電池は、半導体製の太陽電池とはまったく違った原理で光を電気に変えるもので、「印刷技術の応用でつくれる」「曲げたり折ったりできる」「透明であり、さまざまな色に着色できる」「製造コストが安い」などの特色がある。

具体的なニュースを振り返ってみると、2007年10月28日の東京読売新聞朝刊は「高校化学グランドコンテスト、10チームに決まる」という見出しで、和歌山県立海南高校の「色素増感型太陽電池の実用化」が、最終選考に残った10チームのなかに入っていることを紹介している。半導体製の太陽電池は、特別の製造装置がなければつくれないが、このニュースは、特別な装置を持たない高校生でも新しいタイプの太陽電池ならつくれることを示している。

2007年12月3日の日経新聞朝刊は、シャープが世界最高効率の色素型太陽電池モジュールを開発し、実用化が近いと伝えている。太陽光を電気に変換する効率が7.9%で、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の開発目標である「2010年までに面積900 cm2で効率8%」に近づいたとしている。2007年12月7日の日経新聞朝刊は、桐蔭横浜大学とベンチャー企業のペクセル・テクノロジーズ(本社横浜市)、藤森工業が高出力のフィルム状色素太陽電池の実用化にメドをつけたと報道した。さらには、2008年1月5日の日経新聞朝刊は、TDKと太陽誘電がそれぞれ色素型で太陽電池ビジネスに参入するという記事を掲載した。

半導体製の太陽電池は、性質の違う半導体を接触させ、そこに光が当たると電子と正孔(見かけ上プラスに帯電した電子の抜け穴)に分かれる現象を利用している。これに対して色素型の場合、電気化学的な酸化・還元反応を利用しており、半導体の太陽電池と原理がまったく異なっている。

詳しくは、こちら「bp SPECIAL 地球環境問題―新たなる挑戦― ECOマネジメント」サイトでご覧になれます。

半導体型太陽電池と原理が異なり、色素増感型太陽電池は、廉価で生産でき、活用範囲も広い(出所:『日経エレクトロニクス』2003年9月15日号より抜粋)

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