2008年9月30日火曜日

合計一六〇〇㌔㍗もの燃料電池を結合、需給制御し自立運転を行うのは世界に類例を見ない「実験」。

2005年04月04日
愛知万博 「水素社会」の実験場
三月二十五日に開幕した「愛知万博」の心臓部ともいうべき施設は、NEDOパビリオン一階に立地した各種「燃料電池」実証実験プラント。なかでもトヨタと中部電力が設置した出力二五〇㌔㍗の「溶融炭酸塩型」(MCFC)二基は予想以上に大きく壮観。
 燃料電池プラント内は六〇〇度Cでバイオガスから水素を取り出し化学反応で発電する。同じ敷地内には生ゴミの集積場やメタン発酵槽が立地している。ここでメタン菌によってメタンガスを発生させ「溶融炭酸塩燃料電池」二基にメタンガスを送る。
 同じバックヤードには「りん酸型」(PAFC・NTTファシリティーズ)、「固体酸化物型」(SOFC・三菱重工)も設置され実証実験を行っている。同時に「バイオガス」や「太陽光発電」も行われ、NaS電池(日本ガイシ)による蓄電も実験稼動中。これら発電システムを加えて合計二一八〇㌔㍗の発電を行っている。
 同時にこの「NEDOパビリオン」のバックヤード一帯の施設は「新エネルギー地域集中実験研究」地域に指定され、、現在青森県八戸市と京都府京丹後市で実証研究がはじまりつつある「マイクログリッド」システムの最大の実証研究地域となっている。博覧会会場の電力ネットワークを形成する中部電力「系統電力」とは「マイクログリッド」システムを通じ,受変電を行っているが、その「制御」を行うのが一階の「溶融炭酸塩燃料電池」に隣接した「制御室」。ここでは十数名の所員がパソコン上でシステム制御の実証実験を行っている。
 合計一六〇〇㌔㍗もの燃料電池を結合、需給制御し自立運転を行うのは世界に類例を見ない「実験」。
 会場内には燃料電池自動車が走り「水素ステーション」が稼動しており「水素社会」を身近に感じさせる。
 「愛知万博」はやがて来る「水素社会」の一大実験場となっている。

投稿者 yos : 17:08 | コメント (2)

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